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三菱UFJキャピタル株式会社
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MUCAP 50th Anniversary.
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“Real Voices”“リアル ボイス”

株式会社フツパー
代表取締役社長 CEO 大西 洋 氏

製造業のDXをAIの民主化で牽引する

株式会社フツパーは、製造業の人手不足をはじめとする現場課題を、AIやロボットにより解決することをミッションに掲げ、製造現場のDXを支援する大阪発のスタートアップです。AIの画像認識を活用した検査・検品ソリューションを月額課金制で提供するなど、独自の「はやい・やすい・超巧い」技術で注目を集めています。共同創業者の一人で代表取締役社長 CEOを務める大西 洋 氏に、これまでの歩み、三菱UFJキャピタル(以下、MUCAP)との関係性、今後の展望についてお聞きしました。

創業に至る経緯

自分は仕事ができないと思っていた

小さい頃から、特になりたいものもなく、言ってみれば平凡な子どもだったと思います。大学も、したい勉強があるというより、就職のためだと割り切っていました。就職活動もしっかり行い、本当は大手FAメーカーに行きたかったのですが、最終面接まで進んだものの、残念ながらご縁がありませんでした。その人の生まれ持った性質や能力がグラフ化された適性評価の結果を見せられながらの最終面接で、私は多くの能力は高かったのですが、懐疑心と計画性の2つが極端に低く、「うちの社員にはまったく向いていない」と言われてしまうほどでした。そこで何か言い返せたらよかったのかもしれませんが、「あ、そうですか」と帰ってきてしまったのです。そうしたことや、大学時代のアルバイトの経験を通じて、「自分は仕事ができない人間だ」と思っていて、なるべく終身雇用のところに身を置くしかないと考えていました。
ところが、内定をいただいて入った会社で1年間仕事をしてみると、製造業は想像していた以上にデジタル化、IT化、効率化が進んでいなかったのです。もし私が50代だったら、そのまま逃げ切って引退できたかもしれません。でも20代だったので、ソフトウェアくらいは学ばないと逃げ切れない、自分でITやプログラミングをやってみようと考え、会社を辞めることにしました。
会社を辞めるにしても、次の見通しをつけてからというのが普通なのかもしれませんが、やはり計画性がなかったのでしょうね。というより、先ほど触れた最終面接時の適性評価の結果では、私は抽象理解度と行動力の数値が非常に高かったのです。思いつきで動いて、動いた先で辻褄を合わせるようなやり方が性に合っているのかもしれません。

三菱UFJキャピタルとの出会い

遠回りの先で見定めた、起業という選択

そこから岡山のギークハウスでプログラミングの勉強をしたり、イスラエルで起業したり、大阪で中小製造業の会社に入ったりと紆余曲折を経て、2020年4月にフツパーを起業しました。製造業、特に中小企業のDXをどうにかしたいという思いは、最初に入った会社を辞めたときからブレはありませんでした。
MUCAPとの関係性は、最初に大阪投資部の矢野さんが面談に来てくださったことから始まりました。ご本人は銀行からの紹介で来たとのことで、当初は様子見の部分もあったようです。その後、しばらく大きな接点はなかったのですが、シリーズAラウンドの半年ほど前から、比較的頻繁にやりとりするようになりました。
最初の頃は、事業計画を説明しても「難しいのではないか」と、率直ながら厳しい言葉をいただくこともありました。一方で、ずっと私のことを「目がきれいだ」と評価してくださっていたのです。自分ではまったくわからなかったのですが、わからないなりに期待してくださっているのであれば、そこには応えたいと思っていました。
その評価が変わらなかったのか、シリーズAの際に出資いただき、上場前の調達ラウンドの際にも追加出資していただきました。
あくまで私の印象ですが、金融系VCは良くも悪くもビジネスについては経営陣に委ねてくださる傾向があります。シリーズAの頃は、事業の方向性が変わる可能性もある中、MUCAPの見守ってくださるスタンスは非常にありがたかったです。

三菱UFJキャピタルとのリレーション

伴走し続けてくれた、MUCAPという存在

私たちは創業時から、ピッチイベントには出られるだけ出ていました。資金調達を控えるようになってからは厳選するようにしましたが、それでも月に1件ほどは何らかのイベントに参加していました。矢野さんは、ほぼ必ず来てくれていましたね。すでに出資を受けていて、当社の話も何度も聞いているはずなので、正直、来なくてもいいはずなのに、私たちが登壇する時間には会場の隅に座って、親が隠れて見に来たようにプレゼンを聞いてくれていました。ご本人には別の思惑もあったのかもしれませんが、面倒見のいい方だなと思っていました。
もうひとつ印象的なのが、メールの1文目に、本題とはまったく関係のない、世間話のようなことを書かれることです。私もそれに返すので、世間話が2、3行、本題は1行、といったメールを何度もやりとりしたことは、すごく印象に残っています。
そうした親しみやすさがある一方で、やるべきことがおざなりになっているスタートアップ経営者には、厳しい叱咤の言葉を遠慮なく投げかけられる方でもあります。ここでは言えないような、かなり強い表現で。昭和っぽいなと思う一方で、さぼっている人間に対しては当たり前のことだとも思いますし、そういう言葉を聞くと私はむしろ嬉しくなりますし、信頼できると思っています。
それから、MUCAPバリューアップチームにも本当にお世話になりました。シリーズAで資金を調達した翌月に関東支社を立ち上げたのですが、本格的に関東を開拓していくぞというタイミングで、ビジネスマッチングの面で非常に協力していただきました。これには助けられたと思っています。
それも含めてMUCAPと他のVCの違いを挙げるなら、全体的にクオリティが高いというか、言ったことに対してすぐに動いてくださる。一言でいえば、きちんとしているという印象が強いですね。

今後の展望

毎日100%を出し続ける、それが唯一の勝ち筋

根本にあるのは、製造業の人手不足をAIやロボットのようなテクノロジーで解決していくというのがミッションなので、まだまだやるべきことはたくさんあります。
現状、検査のソリューションと人材配置のソリューションが代表的なプロダクトになっていますが、設備管理、在庫管理、生産計画など、テーマはいくらでもあります。少なくとも年に1つはプロダクトを増やしていきたい。M&Aも視野に入れつつ、やれることは着実にやっていきます。そうしないと、上場したものの小粒のままで終わってしまいかねません。自分ができる100%を毎日発揮し、それを地道に続けていく。そうすれば、矢野さんに叱咤されずに済みますし(笑)、それ以外に凡人が勝つ方法はないと思っています。なにしろ私は「仕事ができない」人間ですから。

若手経営者へのメッセージ

今の若い方々は、基本的には自分より優秀だと思っています。小さいときからスマートフォンに触れ、生成AIも当たり前のように使い、私たちの時間軸より早く成長していくでしょうし、そうでなければ世界を相手にできない世代だとも思います。私としては、皆さんに追いつかれないように頑張ります、と言うことくらいしかできません。
今、起業したい人への支援は、私たちの頃に比べて非常に手厚くなっています。少し過保護なのではないかと思うくらいで、それが本来伸びていく力を阻害していないか、と感じることもあります。それよりも、起業して頑張っているのに伸び悩んでいたり、上場した後に放置されがちな会社はたくさんあります。そこの支援を厚くしたほうが、全体に対する経済効果は大きくなるのではないかと思います。そこをMUFGグループに期待したいですね。

2026年7月 取材

会社名

株式会社フツパー(Hutzper Inc.)
https://hutzper.com/

主な事業内容

製造業向けAIサービスの提供

沿革

2020年 4月 株式会社フツパー 設立
7月 AIによる製造業向け外観検査自動化サービス「メキキバイト」の提供を開始
2021年 4月 大阪市淀川区東三国四丁目25番29号へ本社を移転
2022年 4月 AIによる製造業向け分析サービス「カスタムHutzperAI」の提供を開始
8月 東京都墨田区に関東支社を設立
12月 東京都中央区へ関東支社を移転
2023年 8月 大阪市淀川区西中島一丁目11番16号へ本社を移転
2024年 7月 スキルに応じた人材配置最適化ソリューション「スキルパズル」の提供を開始
2025年 6月 生成AIソリューション「ラクラグ(らくらくRAG)」の提供を開始
12月 東京証券取引所グロース市場へ上場(証券コード:478A)
2026年 4月 名古屋支社に常駐開始
5月 タイに駐在員事務所を開設